IF Another despair side:Syugeibu

あってはならない未来。 けれど、ありえなくはない未来。

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Le.5

Sirver Rain IF Another despair ~黄昏の傭兵部隊~




20XX年
もう何年も前に、銀誓館学園と呼ばれる巨大な学園があった。
そう、とても巨大な学園だ。
この学園はシルバーレインの降雨に伴うゴースト事件の解決を目的に設立された…と言うのが大体の話だった。
銀誓館学園の能力者達は、確かに数多くのゴースト事件を解決し、また人類に対し敵対的な…或いは異世界からの侵略者としての来訪者達を倒してきた。

だが、結果的に敗北したのだ。

これは有り得る…けれども決して有り得てはいけない世界の話────





封鎖特区・横浜 サカエ・エリア

濃緑のロングコートを羽織った男が指示を出しつつ荒廃した横浜の栄区を移動する。
気付けば、彼は何時だって戦場に居た。
『隊長!藤原機動隊が接敵-エンゲージ-指示を出しますか!?』
硝煙と鉄錆のニオイがする場所に。
「作戦道理に無理に攻撃を行わずにかく乱するように伝えろ!
 ゴーストを釘付けにして逃げ続けろ!!
 佐伯隊は敵集団3時方向への移動を急がせろ!
 佐伯隊は到着次第、能力の使用を混ぜた支援砲撃!」
彼が言った事をオペレーターが部隊に伝令する。
そして同時に爆発音と機関砲の唸る音が遠くから聞こえた。

彼の手には闇を纏った1本の長剣と拳銃。
それらは近づいて来るゴーストをぶっきらぼうに切り捨て、
或いは連続で轟音を響かせる拳銃によって一挙に葬られた。

『隊長、今どちらに?!
 死者はまだ出ていませんが、負傷者が増え始めています!油断できない状態です!!』
男はオペレーターの報告を聞きながら足を進めると駅前広場にたどり着き、物陰に潜んで周囲を見渡す。
駅前広場には特徴的な大型ゴーストとその取り巻きが3体ほど居た。
「もう少し耐えろ、シラバキを発見した。
 これより交戦に入る。
 そういえば、新兵器の方はもう試したな?」
『了解しました!
 新兵器…詠唱グレネードですか?
 既に試しました、アレすごいですよねぇ!!』
男と通信をしているオペレーターがはしゃぐ様にそう言い、男は軽く溜息をついて注意する。
「進藤、仕事中だ。 報告だけで良い」
『あ、はい! 現状はコチラに優勢ですが、相手も体制を整えなおしています。 
 早急に敵の指揮官となるゴーストを倒してください!』
「わかった、それじゃあ、打ち倒すか」
そう言って男は長剣と拳銃を構えなおす。
「AC傭兵部隊【黄昏】所属──天野夏優、行くぞ!」
嘗て銀誓館学園に所属した青年は、今も戦場を駆け抜けていた。






伊勢原市 AC本社会長室
30階建ての高層ビルの最上階で天野夏優はACの会長である海部野冬美に直接報告を行っていた。
冬美は夏優に背を向け、大きなガラスの向こうに見える大山を眺めていた。

「──その後シラバキと取り巻きを撃破。あぁ、それと新開発の詠唱グレネードは部隊で大人気だったぞ。
 今回の依頼でアイツ等も自分たちがゴーストと戦える自信を持てた、
 それが何よりの戦果───って、ちゃんと聞いてるのか冬美?」
夏優に聞いているのか?と問われてハッとする冬美。
「ごめんなさい、兄さん。ちょっとぼうっとしていましたわ」
冬美が少々申し訳なさそうに謝るのを見て夏優は溜息をつく。
「(冬美もそろそろ疲労が蓄積されてきているか…?
  会長業はプレッシャーも大きいからな…仕方ないか)」
夏優はそう考えながら冬美のデスクの上に書類を幾つか置く。
「冬美、疲れているのなら少しは休んでおけ。
 今お前が倒れたら会社が傾くからな」
冬美は夏優の言葉に曖昧に頷く。
「兄さんこそ、少しは自愛してくださいね?
 あなたが倒れたら傭兵部隊が成り立ちません、
 そうなると重工の兵器開発に遅れてしまいますから」
お互いの言葉に苦笑する。

ACも傭兵部隊もどちらも殆どワンマン経営のような物だ。
何せ、この二つは殆どこの二人のカリスマによって動いているのだ。
数年の月日を経て女としての色香を更に磨き、そして冷静に、的確かつ大胆な経営でACを発展させたAC会長、海部野冬美。
使えるものを全て利用し、部下や周囲からは尊敬と畏怖を持たれる傭兵部隊の隊長、天野夏優。
彼等の目的はACの発展…そして、かつての友の保護と援助にあった。

「長かったですわね…ココまで来るのに随分と遠回りをした気がします」
「仕方ないだろう、ACも傭兵部隊も一定の経済力と戦力を持つ必要があった。
 そして、それが整ったのがココ最近だった、それだけだ」
特に時間が掛かったのが戦力の増強であった。。
先ず、傭兵部隊の3割が一般人、4割がヤクザ、残りが能力に目覚めたばかりの能力者だ。
そして、全員に先ず「戦」という物を教え込む。
特にヤクザ達に。
彼らは特攻癖があるため、矯正するのに非常に時間が掛かったのだ。
その次に手が焼いたのが能力者だ。
実戦経験に乏しく、また能力の扱いに関し未熟な彼らに能力の使い方を教え込むの非常に苦労した。
コレに関しては夏優だけでなく、封鎖特区の外に居る元銀誓館の能力者たちにも協力してもらっている。
最後に一般人であるが、実はそれほど手を焼くことにはならなかった。
先ず、彼らは自分たちが一番弱い事を認識していたからだ。
その為に訓練に真摯に取り組み、そしてACの開発した機動装甲服も早い段階で扱えるようになっている。

そして、先日になって漸く実戦レベルにまで達し、封鎖特区・横浜 サカエ・エリアの政府からのゴースト殲滅依頼を実戦訓練とACの開発した詠唱グレネードの実戦テストも兼ねて出撃したのだ。
そして、傭兵部隊【黄昏】は僅かな戦死者と重傷者を出しつつも依頼に成功した。

これは各地で敗退が続いている中で、ACの兵器と傭兵部隊の優秀さの良い宣伝になったであろう。
「これからも対ゴースト兵器の開発は進めていきますが…一つ気に掛かる点があります」
「……政府の真意か?」
冬美の言葉に夏優は少し間を置いてから答えた。
「それに、封鎖特区にあるという組織も気に掛かります」
封鎖特区に関してはキナ臭い噂が耐えることは無い。
政府にしろ、封鎖特区内にあるという組織にしろ、である。
だが、自分達は彼等からすれば一番臭い立場にあるだろう、という事は夏優も冬美も弁えていた。
「なんにしろ、情報が欲しい所だな…」
防衛省のデータベースになら情報はあるかもしれないが、残念ながらACと傭兵部隊【黄昏】のどちらにも閲覧権は無い。
「無い物を強請っても仕方がありませんわ。
 当分は新兵器の開発と政府の依頼を受ける事に専念しましょう」
「そうだな…」
政府、特区にあるという組織、世界中で出現するゴースト、そしてAC及び傭兵部隊【黄昏】。
時代は正に混迷を窮め様としていた。


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  1. 2007/09/05(水) 23:00:27|
  2. 番外編
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