IF Another despair side:Syugeibu

あってはならない未来。 けれど、ありえなくはない未来。

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Le.12

IF Another despair 愉快な同意者達


【アオバエリア 洋館内部】

一人の仮面を着けた男が笑みを浮かべ窓の外の景色を見ては古びたスケッチブックに鉛筆を走らせていた。


窓の外に広がるのは荒廃した町並み、あちこちを徘徊するゴーストであふれ、とても絵を描く気にはなれない景色だった。
しかし、仮面を着けた男、浅葱はお構いなしに描き続けている。

「楽しそうだね。」

その声を聞いた浅葱は鉛筆の動きを止め、後ろへと顔を向けた。

「琥珀ですか…。」

浅葱の顔を向けた先には20代の女性が笑顔で立っていた。
琥珀と呼ばれた女性は浅葱に近付き、窓の外を見た。

「政府は?」

「まだ動きませんね…。」

浅葱は笑みを浮かべたまま琥珀の問いに答え、再びスケッチブックに鉛筆を走らせる。

琥珀は疑いの眼差しを浅葱に向け、仮面に手を伸ばす。
浅葱は驚きはしたがすぐに手を払い、自分で仮面をとり琥珀を見た。
そこには昔より大人びた浅葱の顔があった。
しかし、目は琥珀の方を見ているがどちらかと言うと虚空を見ていた。

「目の調子はどう?」

琥珀はそう言うと浅葱は少し上を見て辺りを見て再び琥珀のいる方へ顔を向ける。

「やはり見えませんが気にするほどじゃありません…。」

浅葱は両目を失明していた。
数年前、とある事件により彼は死亡寸前の状態になった上、両目の神経をやられそれ以来光さえも見ていない。

「ごめんね…、あの時、わたしがもっとしっかりしてたら…。」

琥珀がどんな表情をしているか見えないが、声が震えているのは分かった。

「気にしないでください…。私も油断していましたし…。琥珀は頑張りました…。」

そう言うと空気が変わった。
琥珀が立ち直ったらしい。

「うん、ありがとうお兄…じゃなかった……」

琥珀の苦笑の声が聞こえる。
わざとだと浅葱は思い溜め息をつく。

「無理せず言い慣れた方でいいですよ…。」

「じゃぁ、お兄ちゃん!」

琥珀は嬉しそうに即答した。
浅葱はその早さに苦笑した。

「ところで何かご用ですか…?」

浅葱のその問いに詩人はあっ、と声を漏らした。

「そうそう、ご飯が出来たから呼んだんだよ~」

その返事に浅葱は表情を引きつらせた。
この館には浅葱と琥珀の他にも二人ほど人がいる。
一人はこの館の家事全般をこなす皐月という女性と、浅葱達が覚えた呪術等で作った人形部隊を指揮する悟という男性。
彼等はゴーストに襲われそうな所を助けたら勝手について来て居候みたいな事をしている。
その皐月の方は掃除等は完璧にこなすのだが、料理の方は見栄えはいいが味は殺人級と断言できるほど酷い。


「また…、あの方ですか…?」

浅葱は恐る恐る琥珀に尋ねた。
琥珀は苦笑した。

「大丈夫、大丈夫。今日はわたしも手伝ったから。」

それを聞いて浅葱を安堵し、席を立つ。

「では大丈夫ですか…。行きましょう…。」

そう言い、浅葱は壁にぶつかりながらも部屋から出て行く。
琥珀はそれを笑いながら見送り、あとに続こうとしたが振り返りスケッチブックを手に取った。

「まったく…、これが黒き亡霊の描く絵かね~」

琥珀はおかしくて笑った。
そこに描かれていたのは荒廃した町並みでも政府の地獄絵図でもなかった。
そこに描かれていたのは

青い空の下に活気づく数年前の街の姿だった。



浅葱は見えない廊下を黙々と歩いていた。
途中途中壁にぶつかりながらも食堂を目指して歩を進める。

「アルジ!コンチハ!」

浅葱は人形の声を聞き足を止めた。

「デガラシ君ですか…?こんにちは…」

浅葱は人形の声のする方へ顔を向けた。
開かれた赤色の双眸もその姿をとらえてはいるがその姿は浅葱には見えない。
浅葱の目の前には一体の人形が箒を持って立っていた。

「アルジ、キョウハカメンシテナイネ。ドウシテ?」

デガラシの質問に浅葱はあ、と声を漏らし、

「部屋に忘れてきました…。」

溜め息をついた。
目が見えないのは非常に不便だと浅葱は思った。

「でも…、たまにはいいですね…。」

浅葱はそう結論付けた。
デガラシはカタカタと笑いだして

「アハハ、アルジラシイネ~。デモカメンシテナイアルジモカッコイイヨ!」

そう言った。
浅葱は苦笑して頬を掻いて食堂の道へと目を向けた。
ほぼ勘である。

「ではデガラシ君、私はそろそろ行きますね…。」

浅葱はそうデガラシに告げ歩き出す。

「イッテラッシャイ~」

デガラシは歩き去って行く自分の主に手を振った。


食堂では2人の男女が席に座っていた。
一人は笑顔を絶さない黒を主体とした服を着た女性。
もう一人はフード付の服を着た男。顔は引きつっている。

皐月と悟である。

目の前にあるのは綺麗に飾り付けられた料理。
さきほどの説明通り皐月の料理はそりゃもうやばい。
悟はこの前味見させられ死にかけた。
そのせいで悟は皐月の料理がトラウマになっていた。
とそんな感じで震えていると、ドアの開く音がした。

浅葱が食堂へと入ってきた。

「あ~、こんにちは、浅葱さん」

皐月がのほほんと挨拶をする。

「よっす、浅葱さん。」

悟も遅れて挨拶する。

「おはようございます…皆さん…」

浅葱はそう挨拶を返しふらふらと椅子に座り、少し遅れて琥珀もやってきて椅子に座った。

「では、皆さん…。いただきます…。」

浅葱は手を合わせながら言い、

「いただきます。」

残りの三人もあとに続く。

浅葱と琥珀は黙々と食べ、皐月は自分の料理に満足そうに頬張る。
悟はやはり手が震えている。

「食べないんですか~?」

悟は皐月の方を見た。
彼女は笑顔で言っているがどこか黒いオーラを発していた。
食べないと殺される。
悟は本能的に感じ、覚悟を決め料理を口にした。

「あ…、うまい…」

悟は驚いた様にそう呟くと同時に殺気を感じた。
皐月が黒い笑顔で悟を見ていた。

「う、嘘です…。いつも通りに美味しいです…。」

悟がそう言うと皐月は殺気を消し

「分かればいいんです♪」

と言った。
悟が冷や汗混じりに苦笑していると、琥珀が悟の隣にコソコソ音を立てず来て耳元で囁いた。

「今日はわたしも手伝ったからね~」

あぁ、と悟は納得した。
納得したのを確認して琥珀は再び食事に戻った。

「そういえば…、政府の動きはどうなんだぃ?」
食事を終え、悟が浅葱に尋ねる。
点字で書かれた本を読んでいた浅葱は悟の方を見た。

「まだ動きはありません…。何か企んでいるかもしれませんね…」

その言葉に悟は腕を組み目を閉じた。

「政府は意外と頭が切れるからな…。少しでも人形達と作戦を立てたいんだがな…。」

悟は上を見上げお手上げな表情をした。

「はぁ…、相手が動くのを待つか…」

浅葱も上を見上げ

「そうですね…。せめて…」

浅葱は途中まで言うが口を閉じた。浅葱の頭にはとある人物の顔が浮かんでいた。

「どうした…?」

悟が尋ねると浅葱は浮かんだ顔を消す様に首を横に振り、苦笑した。

「何でもないですよ…。」

見上げながら会話をしている2人を食器の片付けを終えた琥珀と皐月は見てお互い首を傾げた。

「ねぇ、お兄ちゃん。何してんの?」

琥珀は浅葱に質問をする。

「ん…?いえ…、相手の動きを考えてるんですがお手上げなんですよ…。」

見上げていた浅葱は琥珀に顔を向けそう言った。

「全然真面目に考えてないでしょ?」

呆れた目をして琥珀は浅葱に尋ねた。

「愚問ですね…。」

浅葱は嘲笑しながら即答した。
やっぱりと琥珀は溜め息をついたが悟は何がなんだか分からない。

「ん?どう言う事だ?」

悟が浅葱に尋ねると、浅葱は足を組み、目を閉じた。
その顔は笑っている。

「…、そろそろですね…。」

浅葱が言ったちょうどその時、ドアが激しく開け放たれた。
それに驚いた浅葱以外の3人はドアを見る。

「アルジ、フシンシャツカマエタ!」

そこにいたのは返り血を浴びたデガラシと血まみれの軍服を着た政府の兵士だった。
3人は浅葱の方を見る。

「さて、皆さん…。掃除の時間です…。」

浅葱はゆっくりと目を開けそう言った。
その顔はさっきまでの穏やかさを持っておらず、その代わりに恨みと狂気に満ちた笑みがあった。


「館内部への侵入完了。これより捜査及び掃討を開始する…。」

政府の軍服を着た隊長格らしき男は十数人の隊員を連れ、アオバエリアにあるとある洋館に居た。
彼は通信機で連絡をとり終え立ち上がり、ここに来た理由を思い出す。

数日前、洋館の謎を解くべく政府が送った数名の能力者の内、戻ってきたたった1人の能力者が最後に残した言葉。

それは宣戦布告。

しかし、彼女から発せられた声は彼女の声とは違っていた。

それは少し低めな男の声。

それを聞いていた彼女の上司は、ある人物を思い出すが否定をした。
何故ならその人物は数年前に死んでいた、いや殺したはずだからだ。

しかし、声は彼そのもの。

その事態を重く見た彼女の上司は急遽、部隊を集め彼の掃討作戦を立てた。

そして、現在にいたる。

政府の男は辺りを見回した。
薄汚れた外壁の割には中は埃が一つなく、清潔感が保たれていた。

「隊長…。」

隊長と呼ばれた男は自分よりも若い隊員に目を向けた。その顔は表情が曇っていた。

「どうした?」

隊長は隊員に声を掛けると隊員は俯き、口を開いた。

「我々は生きて帰れるのでしょうか…?」

彼の言う事はもっともだった。
この館を調査の為に送った数は戻ってきた彼女を含め44人。
その彼女以外は消息不明。
彼女は自殺した。

だからそう言う不安があるのも当たり前の事だ。
「生き残りたいなら警戒を怠るな。どこから何が出て来るか分からないぞ?」

隊長は質問をした隊員にそう言い、隊員達を見て異変に気付いた。

「おい、1人足りないぞ?」

ここに来た人数は隊長である自分を合わせ13人、しかし今は12人。

1人減っている。

「さ、さっきまで俺の後ろを歩ってましたよ?」

減った隊員の近くにいた別の隊員はそう答えた。チームに戦慄が走る。

隊長は一度来た道を振り返り、走り出す。
隊員達も後に続く。
館の入口付近まで走り消えた隊員を探したが見つからなかった。
隊長は舌打ちをし、隊員達に目を向けた。

「今から隊を分ける。道は4つ。4隊に分かれ消えた隊員を探す。いいか?」

「了解です!」

隊長の言葉に隊員は敬礼をして答えた。

その時だった。

ちりーん


どこからともなく鈴の音が聞こえて来た。

隊員達は銃を構え、辺りを見回し不審なモノを探した。

ちりーん

なおも聞こえる鈴の音。

「お、おい!あれ!」

見回していた隊員の1人が何かを見つけたらしく、階段の方を指をさし声を上げた。
隊長はその指の先を見た。

そこには一匹の鈴付きの青リボンを着けた黒猫が座っていた。

「黒猫か…?」

隊長は黒猫に近付く。
隊員も後に続く。

「………。」

黒猫は何も語らずただ隊長達を見ていた。


その黒猫の落ち着きさに少し恐怖を覚えながらも近付くと黒猫の首から一枚の紙切れが下がっているのがわかった。

隊長はその紙切れを取ると、黒猫は身を翻し闇の奥へと消えていった。

その黒猫を見送った隊長は紙切れを開き中を確認し驚愕した。

そこには血で書かれた文書。

『いらっしゃいませ。貴方方は何人死にたいですか?』

そう書かれていた。
隊長は怒りが込み上げ紙切れを破り捨てた。

「チームを分けるぞ。先ほど言った通り3人1組。危険を感じたら躊躇い無く発砲して構わん!何としてでも、ここのイカれた主を倒すぞ!」

隊長はそう声を荒げ、

「り、了解!」

それに圧された隊員達も声を上げた。


【館内部 小隊4side】
政府の兵士が3人は銃を構え、廊下を歩いていた。
どの兵士も顔は真剣で、警戒しながら捜査を続けていた。

「異常は?」

隊員の1人がそう言うと残り2人は首を振り異常無しの意思を見せた。
隊員はそれを確認すると前を向き、歩き続けた。
しばらく歩くと部屋があった。

道はそこで終わっている。

隊員達は来た道などを確認したが道はそこで終わっている。

隊員達は覚悟を決め、お互いに確認しあいドアを開けた。
中は広々としていて、窓からは夕日が差し込んでいた。
その窓から外を眺める影が1人。
隊員達は警戒し、銃をその影に向けた。

「動くな!政府の者だ!手を上げて大人しくこちらを向け!」

影は手を上げゆっくりと振り返った。
その影はツインテールが目立つ女性だった。
女性は政府の顔を見るやいなや笑顔で口を開いた。

「いらっしゃいな♪」


【館内部 小隊2side】

「ちっ、やってられねぇぜ…」

「おい、口を慎め…」

やる気のない隊員を別の隊員が一喝した。

「こんなちまい事ばっかやってねぇで派手に暴れてぇのによぉ」

だるそうな口調で話していた隊員は銃を壁に数発発砲した。
壁は脆かったのか、撃たれた部分は簡単に崩れた

「馬鹿っ!よせ!」

別の隊員が制止をかける為大声を上げた。
もう1人の隊員は黙ってだるそうな隊員を睨んだ。

「おぃおぃ、んな怖い顔すんなよぉ。俺たちはチームなんだぜぇ?」

ヘラヘラと笑うだるそうな隊員。
別の隊員は舌打ちをして辺りを見回した。
先ほどの音で気付かれたのではないかと予測したからだ。
しかし、辺りは不気味なほど静かだった。
隊員は確認を終えるとだるそうな隊員を睨む。
相変わらずヘラヘラしていた。

「おい、次余計な発砲をしたら上に報告するからな?」

「へいへい、でも別にいいじゃねぇか。誰にも気付かれてねぇんだからなぁ」

「いや…、気付かれた…」

今まで黙っていた隊員が2人の会話にわって入り、口を開きそう言った。

「はぁ?」

だるそうな隊員はそう声を漏らし、黙って前を見る隊員と同じ方向を見た。

「あらあら~、壁を壊したのですね~?あとでお掃除しましょうね~」

その方向から声が聞こえた。
隊員達は銃を構え声の聞こえた方向を睨んだ。
廊下の闇から出て来たのは黒を主体とした服を着た女性だった。

【館内部 小隊3side】

比較的大柄な3人の隊員はとある部屋の前に来ていた。
ドアに貼られている札には『人形室』と書かれていた。

「ここが最後か。」

隊員が腕を組み部屋を睨んでいた。
彼等はほとんどの部屋を調べ終わり、この部屋が最後となっていた。

「入りますか?」

丁寧な口調の隊員がドアノブに手を伸ばそうとするが

「待て…。」

強持ての隊員に制された。丁寧口調の隊員は意味が分からなかった。

「何か塗ってある…。」

強持ての隊員は持って来た布でドアノブを拭き始める。
残りの隊員は緊張を隠せない。
やがて拭き終わり隊員は2人を見た。

「汗だ…。」

2人の隊員はすっ転んだ。

「そんなので一々警戒しないでください!」

「大体お前は神経質すぎなんだよ!」

2人は呆れ顔でツッコんだ。
強持ての隊員はむっと低く唸り

「何を言う!汚れを甘く見るな!」

そう言う始末。
完全に緊張の糸が切れた隊員は

「あ~もう!開けますよ!」

ドアノブに手をかけドアを開け放った。

「うわ…、気味悪…」

隊員の1人が呟く。
そこには無数の人形が乱立していた。
大小様々な人形は何も語らず吊されたまま、ただ隊員達を見ていた。

「何か変わった事はあるか?」

「いや…、何も無い…。」

強持ての隊員は一通り部屋の探索を終えそう言った。

「だったら早く出ましょうよ…。すっごい気味悪いですよ…」

丁寧口調の隊員は怯えていた。

「そうだな。早いとこ出てチームに合流するぞ。」

2人の隊員は頷き部屋を出ようとした。

「行かせないさ。」

何処からともなく男の声が聞こえ、3人は動きを止め人形を見た。
そこにはいつの間にかフードを被った男が立っていた。


【館内部 小隊1side】

隊長を含む3人は戦闘を行っていた。
相手は無数の人形。
カタカタと不規則な動きをしながら隊長達に迫って来ては銃に撃たれ崩れていった。

「くそっ!キリがない!」

隊長はやむを得ず手榴弾の安全ピンを外して人形の群れの中に投げ込んだ。

「伏せろ!」

隊長の一声で全員が伏せた。
その瞬間大きい破裂音と共に人形の群れは粉々に吹き飛んだ。

「皆、無事か?」

伏せていた隊長はゆっくりと立ち上がり2人の隊員を見た。

「は、はい、なんとか…」

苦笑混じりに隊員は答えた。
その顔を見て隊長は安堵をし、人形の群れがいた方向を見た。

手榴弾の威力は少し抑えておいたつもりだったが壁や床は少し穴が開いていた。
そのさらに先には道がまだ続いていた。

「先に進むぞ…」

隊長はそう言い歩き出す。
隊員頷きあとに続いた。

「止まれ…」

隊長が隊員にそう命じ隊員はそれに従った。

「扉だ…」

隊員達は隊長の前を見た。
そこには他のドアより少し飾りが違うドアがあった。
表札には『主人の部屋』と書かれていた。
この館の主の部屋か。と隊長は思った。

「この先に誰がいるか分からない。準備をしておけ。」

「了解!」

隊員は銃に弾を補充し、接近戦用の刀を取りやすいようにした。
隊長は完了した事を確認するとドアを勢いよく開け、中へと入り銃を構えた。

部屋の中には窓から外の景色を眺め、古びたスケッチブックに絵を描いている1人の仮面を着けた男がいた。

「ようこそ…、こんにちは…。いや…、こんばんはでしょうか…?」

その男はこちらを見ず、ただ挨拶をしながら絵を描き続けていた。
隊長達に緊張が走る。

「お前がこの館の主か?」

隊長は銃を構えたまま男に質問をした。

「如何にも…、私がここの主、“亡霊”です…。」

仮面の男はニヤリと笑い、隊長達に顔を向けた。
その顔はこちらに向けられているが何処を見ているのか分からなかった。

「さて…、先ほどの質問の答えを聞きますかね…。」

笑みを浮かべたまま仮面の男はそう言った。

「質問…?」

隊長はそう聞き返した。
「はい…、先ほど紙に書いて送ったではないですか…。」

仮面の男の言葉に隊長は何かに気付き怒りの形相が顔に現れた。

「では貴方方に質問です…。『貴方方は何人死にたいですか?』…。」

仮面の男はひどく冷たい声でそう質問した。
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  1. 2007/09/20(木) 22:50:23|
  2. 番外編
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